(2017.5.13公開) |
津軽森林鉄道 も さわ はや ち 今泉母沢支線・早池線 津軽森林鉄道本線は津軽半島西部へ進み、一番初めに現れる支線が今泉母沢線です。 今泉母沢支線は昭和9年に開設、早池線は昭和13年には牛馬道ながら軌道を敷設していたという記録があります。 最初の調査は2003年でしたが、何も見つけられませんでした。しかし、2014年に行った再調査でいろいろと遺構を発見できました。 |
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この地図はカシミール3D「山旅倶楽部」を使用して作成しました。 |
今泉母沢支線 本線から分岐後、しばらく進んでから撮影しました。 とても進みやすく、何のへんてつもない林道が続きます。 |
何も遺構を見つけられないまま、早地線との分岐地点に到着です。 |
今泉母沢支線 早池線 先に早池線の調査結果を紹介します。 分岐地点を右に進みます。わだちもあって進みやすそうです。 |
最初に調査した2003年は何も無さそうと判断し、途中で引き返しましたが、2014年の再調査では車で行けるところまでどんどん進みます。 | そして、車では進めなくなりました。この先は徒歩で進みます。 |
小さな木橋がありましたが、軌道の遺構ではなさそうです。 | @地点からは進路を北に変えて進みます。軌道跡らしき空間が続いていますが、疲れてしまったのでここで引き返しました。 | |
レポート作成中に、再度早地線について調べたところ、@地点の先9カ所で早池沢を渡っている可能性があることが判明しました。遺構が残っているか気になったので早速現地調査しました。 (調査結果は最後をご覧ください。) |
今泉母沢支線 早池線との分岐地点から北西方向に進みます。 2003年に調査したときは、早地線同様、何も無さそうと考えてここで引き返していました。 2014年の調査では先に進みましたが、あまり期待していませんでした。 |
A地点です。 林道は写真奥で左方向へ坂道となって進んでいました。 もしやと思い、林道からちょっと外れて比較的平坦な右側を直進してみました。 |
すると、今泉川が目の前に現れ、そこに橋脚跡らしきものがありました。 ここが軌道跡のようです。 |
起点側には、橋脚か橋台跡か分かりませんが、数本の木柱が残されていました。 |
対岸には、橋脚だけでなく橋桁の一部も残されていました。 |
今泉川を渡った先にも軌道跡が続いており、道床がはっきりと残っていました。 |
再び今泉川を渡ります。ここにもかろうじて橋脚が残されていました。 |
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対岸にも橋脚が残されています。そしてその先には…。 |
さらに橋脚があり、奥には、ぐしゃぐしゃになった橋桁、枕木がありました。 もう少し早く調査していれば、崩れずに残っていたかもしれません。 |
先に進むと、現林道と合流です。 起点方向を撮影しましたが、こちらから軌道跡を確認するのは困難です。 |
林道に戻り、今泉川沿いに進みます。 昔の国土地理院地図によると、軌道はB地点付近まで記載されているので、まずはそこを目指します |
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この地図はカシミール3D「山旅倶楽部」を使用して作成しました。 |
B地点から先の林道は、今泉川を渡って進むはずですが、地図には記載がない林道が今泉川から離れて左方向に続いています。念のため、先に進んでみましたが坂道で、軌道跡ではなさそうなので途中で引き返しました。 B地点に戻り、今泉川沿いに直進してみました。 |
すぐに今泉川にぶつかりました。 特に期待はしていなかったので、何も無さそうな感じに見えましたが、よーく見てみると…? |
対岸に、ながーい橋桁がありました。砲塔から延びる砲身のような感じです。 どうやらこれが軌道跡のようです。 昔の国土地理院地図には、B地点の手前までしか軌道の記載が無かったので、ちょっと驚きです。(後で確認したところ、営林署の事業図には記載がありました。調査不足デシタ。) |
起点側には橋桁はありませんでしたが、金具のついた橋脚が残されていました。 |
横からも撮影しましたが、うまく写真に収まりませんでした。 |
対岸に渡って起点方向を撮影しました。 いつもながら思うのですが、もう少し早く調査していれば橋が架かったまま残っていたかもしれません。 |
C地点で再び今泉川を渡ります。ポツンと残されている橋脚がありました。 遠くから見てもいい感じです。 |
軌道跡を期待していなかったのですが、まだ続いているのでどんどん進みます。見通しがよい地点もありました。 |
小さな沢を渡る箇所には、丸太のような橋(写真左)や、堆積した枯葉などに埋もれた小さな橋(写真右)もありました。 |
D地点まで順調でしたが、急に軌道跡が途切れました。 対岸に進んでいた様子もなく、ここが終点なのかと思いましたが、念のため、一度川に降りて先に進んでみました。 |
なにぃ〜! 川沿いに進み右側を見ると、木橋がありました。 しかも、まだ架かったままの状態だったので大興奮です。 |
近づいて撮影しました。 途中に橋脚がない小さな木橋でしたが、感動です。 |
橋脚の無い橋ですが、橋の両端には石垣の橋台がしっかりと残っていました。 |
軌道跡は先に続いていますが、いったん軌道跡が途切れた地点に戻りました。 この先に橋があったということは、軌道跡は正面の崩れた部分を進んでいたはずです。 ○部分を調べてみると…。 |
下から見ると、枕木を発見しました。 もしかすると軌条が敷設されたまま崩れたかもしれないので、掘ってみれば軌条も出てくるかな? |
軌道跡はまだまだ林の中へ続いています。長いなぁ〜。 |
枕木が1本、敷かれたまま残されていました。犬釘も健在です。 |
枯葉で埋め尽くされた軌道跡が山奥へと誘ってくれます。 いい雰囲気です。 |
E地点付近の小さな谷を渡る箇所で、またしても、短いながら木橋が残っていました。 |
こちらの橋も、石垣の橋台が残っていました。 先ほどの木橋もそうですが、このように石垣のしっかりした橋台で、途中に橋脚がない小規模の橋であれば、現在も橋桁が架かったままで残っている可能性が高いのかもしれません。 |
軌道跡はこれで終わりかと思ったのですが、まだ先に続きます。 B地点から約1.2q、出発から30分以上経ちました。大した遺構が無いと思い、すぐ引き返すつもりだったのでちょっと疲れてきました。 |
再び小さな沢を渡る箇所に木橋がありましたが、グシャっと潰れていました。 |
先ほどの木橋に比べちょっと長い感じがします。おそらく、途中に橋脚があり、そこが壊れて潰れてしまったのでしょう。残念です。 |
軌道跡はまだ続きます。 崖崩れや滝などがあれば諦めがつくのですが、とても歩きやすい軌道跡で、調査続行可能です。 |
軌道跡は今泉川を渡りますが、今度は橋脚も橋桁も見あたりません。 |
その代わりに、今まで一度も出てこなかった軌条が対岸に数本残されていました。 何となく、この辺りが終点なのかと感じました。 |
先に少し進んでみましたが、今までのような軌道跡や遺構を見つけられませんでした。 疲れたぜ〜。 |
早池線の追加調査 (2017年5月4日)
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ゴールデンウイークに行った追加調査は往復約4qでしたが、ぬかっていたので自転車を途中で乗り捨て、ほとんど歩きでした。全行程の8割以上がぬかっていたため、ひどいところではひざ上まで埋まり、川以外でウェーダーが役に立ち?助かりました。 9カ所あったと思われる木橋跡を1つも見つけられず、残念です。成果が少ないせいなのか、年のせいなのか、2時間歩いただけでとても疲れました。おかげで連休の残りは家でゴロゴロしていました…トホホ。 |