津軽森林鉄道 砂川支線 砂川支線は大平(おおだい)集落を過ぎてから、相の股隧道の手前で津軽線沿いに進みます。 普通の支線のように見えますが、いろいろと分からないこともあってちょっと中途半端なレポートです。 調査は2002年から2012年まで数回行いました。 |
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この地図はカシミール3D「山旅倶楽部」を使用して作成しました。 |
相の股隧道の手前で津軽森林鉄道本線から分岐した後、すぐに旧県道を越えます。 この先もすぐに現県道12号を越え、砂川沢沿いに進みます。 |
何のへんてつもない林道を砂川沢沿いに北上します。 まだ伐採作業を行っている箇所もあるらしく、撮影後前方からトラックが来てびっくりしました。 |
JR津軽線も砂川沢沿いに進み、写真のようなステキな橋が見られます。 絵になる橋と思いますので、津軽線を撮影したい方にお勧めのポイントではないでしょうか。 |
林道がJR津軽線に結構近づく箇所もあります。 津軽線はトンネルで進みますが、林道は迂回して進みます。 |
何か遺構は無いかと砂川沢に降りてみると、木柱や石垣らしき跡が見られました。 軌道跡に関係するのかな? |
ここからいくつかの謎があります。 昭和11年の管内図を見ると、実線と点線の2つが記載されていました。 なぜ、この区間は2つの線が存在していたのでしょうか。ただの記載ミスなのでしょうか。 |
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この地図はカシミール3D「山旅倶楽部」を使用して作成しました。 |
@地点です。砂川沢を渡る手前で右へ分岐している怪しい道があります。 点線の軌道跡を確認するため、まずは右へ進んでみます。 |
一応道のようなものがつづいており、期待できそうです。これが軌道跡なのでしょうか。 |
…と思ったら、道が判然としなくなり、先に進めなくなりました。右奥の白いものは津軽線です。 あきらめて引き返しましたが、軌道跡を信じてこの先も調査するべきでした。後日確認が必要です。 |
続いて実線のA地点に来ました。 ここで無沢という小さな沢を渡ります。写真ではわかりにくいですが、道路を横切って笹藪の辺りを流れています。 橋跡がないか探してみました。 |
笹藪をかき分けて探してみると、橋跡のような橋台?橋脚?を発見しました。 |
さらに驚くことに、下流方向(砂川沢合流方向)を見ると、もう一つ橋跡のようなものを見つけました。 |
2つ目の橋跡から無沢の上流を撮影しました。 ちょっとわかりにくいですが1つ目の橋跡が見えます。 (カーソルを合わせると、1つ目の橋跡部分を表示します。) |
橋跡の前後の軌道跡を探したのですが、笹藪で判然としませんでした。 橋跡が軌道跡なのかは不明ですが、仮に軌道跡として、なぜここだけ複線なのでしょうか? A地点付近に少し広くなっている箇所があったので、かつては土場があっていくつか引き込み線があったとか?なのでしょうか? |
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この地図はカシミール3D「山旅倶楽部」を使用して作成しました。 |
A地点でちょっと寄り道です。ここで分岐している無沢分線です。 |
2012年調査時に進んで見ましたが、何も無さそうなのですぐに引き返しました。 |
砂川支線に戻り、B地点です。 現林道は少し高度を上げて進みますが、軌道跡は砂川沢を渡って進んでおり、橋脚跡が残っていました。 |
川を渡ると、恐怖の笹藪ゾーン突入です。 調査は11月に行いましたが、所々進みにくくなっており大変です。 |
途中で天狗沢という小さな沢を渡りますが、橋脚や橋桁の跡が残っていました。 |
軌道跡には笹藪が続いています。 右側の写真は軌道跡を横から撮影しました。わかりにくいですが、道床が少し盛り上がっています。 |
C地点で再び砂川沢を渡ります。 とにかくこの付近は笹藪がすごくて渡るのが大変でした。苦労した割には、遺構は写真のような橋脚跡だけでした。 |
笹藪の草丈が少し低くなって楽になったかと思ったら、雪が降ってきました。 |
D地点で、またしても砂川沢を渡ります。 起点方向には橋脚跡が残っていました。 左上は津軽線です。 |
D地点の渡った先には橋脚跡とコンクリートの橋台のようなものがありました。 再び笹藪ゾーンで大変です。 |
橋台と思っていたコンクリートは、しばらく築堤のように続いていました。 なぜここだけコンクリートなのかは不明です。土質が弱い箇所なのでしょうか? うおー、笹藪じゃまだぜー。 |
笹藪が少なくなり、林の中に入りました。ようやく楽に進めそうです。 |
E地点です。林を抜け、現林道が見えてきました。 改めて写真を見ると、樹海の中から脱出するような光景でホッとします。樹海じゃなくで笹藪ですけど。 |
現林道から軌道跡を振り返って撮影したものです。 こちらからだと、どこが軌道跡か分かりませんね。2002年に行った一番始めの調査時にも気づきませんでした。 |
現林道の分岐点です。砂川支線は右、石川分線は左へ進みます。 この周辺には、かつては砂川集落がありました。今は水田は管理されているものの、周囲に人家はありません。 また、津軽線設置時には、この辺りに砂川沢駅の建設予定もありました。もし駅が作られていたならば、間違いなく秘境駅となったことでしょう。 |
そしてこの先もまた謎があります。 国土地理院の地図に記載されていた軌道(ピンクの点線)です。営林署関係の管内図などには記載は見られませんでした。 橋や堀割の記載がありましたが、土場近くを探してもそれらしき跡を見つけることができませんでした。この軌道は本当に存在していたのでしょうか? |
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この地図はカシミール3D「山旅倶楽部」を使用して作成しました。 |
分岐点を右に進むと普通の農道となっており、つきあたりが、砂川支線(地図の赤線)の終点付近です。 この先は特に遺構を見つけられませんでした。 また、左方向にピンクの点線軌道跡を探したのですが、見つけることができませんでした。 |
最後は石川分線です。 この写真の撮影時期は6月なので、なんだかホッとする風景です。 ちなみに、こちらからも右方向にピンクの点線軌道跡を探しましたが、見つけられませんでした。 |
農道をよく見てみると、数本の枕木のようなものが埋まっていました。 掘り出すことができず、確認ができなかったので枕木かどうかは不明です。 |
しばらく進むと農道の轍が無くなってしまいました。 | そして恐怖の笹藪地帯に突入。軌道跡はまだまだ続いていそうでしたが、ビビって引き返しました。 |
数回の現地調査と机上調査を行っていますが、謎は深まるばかりです。 当時使用していたカメラは電源ボタンが壊れており、露出ボタンを押すと電源オンオフできるという特殊機能?を持っていたのですが、ピンクの点線軌道を調査中に突然直るというハプニングがありました。一度電気屋に見てもらったときに「基盤交換が必要」と言われていたので、なぜ直ったのか、こちらも謎です。(どーでもいですね) |