(2020.2.16公開)
   後潟支線(追加調査)

前回調査レポートでは、川を渡っているはずの軌道跡が見つけられなかったり、数多くのレールが発見された地点の先が未調査と、やり残しがありました。そこで、資料を再確認し、現地へGPSを持参して再チャレンジです。

調査は2014年11月に実施しました。当時小6の息子が1人で埼玉の実家に行くことになったので、新青森駅へ見送った後に調査開始です。
この地図はカシミール3D「山旅倶楽部」を使用して作成しました。    


       後潟支線(延長線)

前回のレポートでは「大川目線」と記載しましたが、そのように記載している資料があまりないので、今後は松ノ沢支線との分岐点より先を「延長線」と呼ぶことにします。

松ノ沢支線との分岐点です。(写真を撮るのを忘れましたので、以前のレポートの写真です…トホホ。)この右側を進みます。


過去の後潟事業区の地図によると、この先は8回ほど後潟川を渡っていることが確認できます。

現林道はスタートしてからすぐに2回後潟川を渡っていますが、それ以降は渡っていません。どうやら3番目以降は現林道と軌道跡が離れているようで、遺構が残っている可能性が高いと思われます。

そこで、事前に架橋予想地点の緯度、経度を測定しておき、その場所を探したところ、木橋を見つけました。


 
おそらく起点から4番目の木橋と思われます。苔むした枕木や補強された橋台部分も残されており、 幸先のよいスタートです。


下流方向の軌道跡は笹藪となっていました。

3つ目の橋跡を探すために下流方向へ進んでみましたが、堰が設置されていたため、見つけられませんでした。


林道に戻り先に進むと、またしても橋の跡を見つけました。(起点から5番目か6番目の木橋跡と思われますが、どっちだか忘れてしまいました…トホホ。)

写真では何が何だかわからない感じですが、橋台部分の補強箇所と橋桁に付いていた金具を確認し橋跡と判断しました。


続いて7番目の橋跡です。

川原から起点方向を撮影しました。写真左側から右方向に盛り上がっている道床を確認できました。


一方、対岸をみると橋脚らしきものが見えたので、川を渡って近づきました。


 
  橋脚と橋桁が残っていました。

笹藪に上半身を突っ込み、状況を確認したところ、ボロボロの枕木と犬釘が残されていました。


川沿いをそのまま進み、8番目の橋跡を発見しました。

起点側は、写真のようにグシャグシャになっていました。

なんとか犬釘を見つけましたが、それが無ければ橋跡であったとの判断は難しかったです。


 
 対岸では、橋脚や橋桁を見つけられませんでしたが、枕木がゴロゴロしていました。  


その先も軌道跡は続いているようでしたが、何もなさそうなので、現林道に戻り進みます。


しばらく現林道を進むと、怪しい分岐地点が現れました。

現林道は明らかに勾配が上がっていくので、軌道跡と思われる左方向を進みます。


先に進むと看板が現れました。 「この辺りは後潟ヒバ保護林です」っていう案内です。

保護林の設定年は、左の新しい看板では平成元年となっていますが、右の看板では大正7年となっており歴史を感じさせます。


先に進むと、軌道跡は判然としませんでしたが、川原にはレールが落ちていました。


 
 至るところにレールは見つかります。上流から流されてきたのでしょうか。  


 
     
  そして、不思議なのは、川原から少し高くなっている所にも、このようにレールが見られました。

前回のレポートの最後に記載しましたが、やはり水害の影響で流されたものなのでしょうか。

レールが普通に残されているのではなく、曲がっていたり、浮き上がっていたりして被害が大きかったことが想像できます。


レールがあちこちで見られるのですが、軌道跡はどこだか分かりませんでした。レールが流されるくらいなので、軌道跡は分からなくて当然かもしれません。

終点と思われる十二滝沢落合地点です。この付近にはレールも見つけられなかったので、ここで引き返しました。


       松ノ沢支線

前回のレポートで、こちらにも多くのレールが残っていることを確認していますので、さらに先には多くの遺構が残っているかもしれません。

調査済みの壊れた橋からスタートです。


まずは調査済みの地点まで、歩きやすい普通の林道を進みます。

紅葉がまあまあきれいでした。


 
前回調査地点の先に突入しました。ここから先は未知の世界です。軌道跡らしきところを通っていきますが、特に何も無いので面白くありません。  


 
    軌道道跡らしき箇所は諦めて、川原を歩くと、レールが
   グイーンと立っていました。
          川の中に埋まっているレールもありました。


 
軌道跡を探して歩くより、川原のほうが歩きやすく、レールもジャンジャン出てきますので、このまま川原を進みます。 


  
まとまってレールが置かれているところもありました。洪水の影響ではなく意図的に置かれたと思われます。   レール2本が並んで敷かれたままのようになっている所もありました。


 
松ノ沢の上流方向を撮影しました。川原が広くなっており軌道跡はどこかわかりません。   右岸には時々軌道跡らしき空間があり、道床っぽい所も見られました。


後潟延長線と同様、こちらも川原から離れたところにレールが見られました。 


そして、この先も明確な軌道跡はわからなかったのですが、レールだけはどんどん見つかりました。
 
     
 


しばらく進むと、右岸に明確な軌道跡が確認できました。

道床の横にはレールや人工的な木柱がありました。


 
    道床からだらーんとレールが垂れ下がっています。        川原には相変わらずレールが見られました。


 
レール2本が平行に垂れ下がっている箇所がありました。下流方向を見ると、道床が流されてしまい、レールだけがぶら下がって残っています。 

今までと違い、何か怪しさを感じます。 


 
この先の路盤はしっかりと残っており、レールはそのまま先へと続いているように見えます。 


 
もしやと思って調べてみると、レールと枕木がセットで見つかりました。ここは軌道が敷かれたまま流されずに残っていたようです。    路盤に登って下流方向を撮影しました。わかりにくいですが画面下側にレール1本と枕木が見えています。

もっと見たいと思い、ちょっと掘り返してみましたが、レール上部が現れるのが限界だったのであきらめました。


 
南股沢との合流地点で、終点付近です。平場の空間があり土場の跡地と思われます。   付近には、集材機?の一部でしょうか、何かの装置が落ちていました。


そして、川原にはまたしてもレールのようなものが落ちていました。

裏返しになっていますが、表は?


方向を変えて見ると、なんか今までと違った感じがします。

そこで、重そうでしたが、ひっくり返してみました。
 


なんと、ポイントのクロス部分のレールでした。こんなレールまでも流されてしまうとは…恐るべし。

終点付近ならではのうれしい発見でしたが、このほかにポイント関係の遺構は見つけられませんでした。


さらに少し先に進むと川底にレールがありました。

しかし、ここがレールが見られた最後の地点で、この先には遺構を見つけられず、引き返しました。


クロスレールを撮影しているときに、背後から「ウーッ」とうなり声が聞こえました。まさか、クマか?と思ったら、山菜採りのおばさん2人組が出現しました。

こちらで何か音がするのでクマかと思って声を出したとのこと。せめて「キャー」とか人間らしい声にして欲しかったよ~。リアルすぎてビビったぜ!

( 線名 地図 )