(2014.12.29公開)
 津軽森林鉄道
 常家戸沢線
   (追加調査)

常家戸沢線にはレールや木橋が残されており、レポート済みですが、いくつかの判然としなかった点の解決や新たな発見がありましたので追加で報告します。

調査は2007年、2014年に行いました。
この地図はカシミール3D「山旅倶楽部」を使用して作成しました。


@地点(木違沢線との分岐)から起点方向への調査

常家戸沢の上流部分を調査するため、2014年5月に訪れました。

先に進む前に、@地点から起点方向を調査していなかったことを思いだし、あまり期待しないで、まずは起点方向の調査を行うこととしました。

木違沢支線との分岐点から起点方向を撮影しました。左へ進むと軌道跡です。


調査は5月だったので、まだ草は少なく、軌道跡をはっきりと確認できました。


さっそく、小さな沢を渡る木橋を見つけました。

枯葉と枯草に埋もれてわかりにくくなっていますが、モコモコしている下には橋桁が残されています。


先へ進むと、すぐに2つ目の木橋が現れました。

こちらは先ほどの橋より長く、橋桁がかろうじて架かっています。


続いて3つ目の橋跡が現れました。こちらは橋桁が落ちていました。

2つ目、3つ目の橋跡はもっと早く来れば良い状態で見られたかもしれません。この区間の調査を早く行わなかったことに後悔です。


4つ目の橋もありました。

小さな橋ですが、橋桁や橋脚が残されていました。


道床が盛り上がっていて軌道跡がわかりやすくなってます。

レールや枕木はありませんが、歩きやすくて好きです。


起点手前の母沢を渡る橋跡です。川の向こうは常家戸沢支線の起点(喜良市川支線との分岐)です。

数年前までは、壊れかけながらなんとか橋が架かっていたのですが、残念です。

(※ カーソルを写真に合わせると、2003年の状態を表示します。)

@地点からここまで300mくらいでしたが、小さな橋跡が4つも残されていてびっくりでした。


@地点へ戻って先に進みます。

常家戸沢には、まだレールが残されていました。


枕木が斜面からつきだしている箇所がありました。

前回調査時には見つけられなかったので、土砂が流されて現れたのかもしれません。


水中には枕木が着いたまま残っていました。


A地点(下の地図のD地点)に架かっていたヘアピンカーブの木橋は、橋桁が少なくなっていました。残念です。

(※ カーソルを写真に合わせると、2003年の状態を表示します。)


A地点 ヘアピンカーブ部分の調査

D地点の木橋の先がどのようになっていたか分かりませんでしたが、前回のレポ後の2007年の調査と机上調査により、S字のヘアピンカーブで高度をとっていたことが分かりました。

軌道跡を赤線、現林道を黄色で示しており、現林道はE→C→Aと進んでいます。

調査はA地点から下りながらB地点を経て行いました。
この地図はカシミール3D「山旅倶楽部」を使用して作成しました。


現林道のA地点はヘアピンカーブとなっていますが、坂が急になっているので軌道があったとは思えませんでした。

そこで、曲がらずにB地点に進んでみることにしました。


道床が盛り上がっており、軌道跡と分かりました。枯れ木のトンネルがステキです。


さらに斜面の下を見ると、うぉ!何か木橋が見える!

早く行きたい気持ちを抑え、順番に進みます。


B地点です。

現地調査した2007年はここがどのような線形になっているか分からなかったので、スイッチバックを期待していたのですが、左方向に曲がっている軌道跡を見て、ちょっとガックシでした。


ヘアピンカーブ部分には小さな木橋跡がありました。一本だけ残っていた橋桁が寂しそうです。


その先も軌道跡がはっきりして進みやすくなっていました。 カーブを過ぎ、進行方向は東に変わります。木橋はまだかな?


ようやく木橋が見えてきました。

でも、上から見えた木橋はもっとしっかりしていたように見えたので、違う木橋でした。


先に進んで振り返って撮影しました。

でろーんと崩れてしまって残念です。


壊れた木橋の先には、先ほど上から見えた木橋がありました。


橋桁はしっかりと残っており、橋脚も健在でした。う〜ん、いい感じです。

歩いて渡れそうでしたが、遺構を壊しかねないので木橋の下を通りました。2007年撮影ですが、今も残っているでしょうか?


C地点です。

現林道と合流するのですが、軌道跡は現林道に押しつぶされるように行き止まりとなります。

そのため、現林道からこちら側を確認することは困難です。


軌道跡に立派な木橋が残っているのであれば、下から斜面を見れば確認できるのでは?と思い、F地点から撮影してみました。

草木の繁茂が少ない春先でも、枯木などがナイスブロックしており、軌道跡は確認できませんでした。

写真左の真ん中辺りにうっすらと白いスジが見えますが、これが木橋の橋桁かな?


B地点 終点付近の調査

B地点へ行く途中にある滝です。

S字のヘアピンカーブの先も、少しずつ高度をとりながら途中にある滝を越えていきます。



上流へ進むと継目板がついたままの軌条が川原に落ちていました。


B地点です。

左側が現林道です。地図に道の記載はありませんが、北方向へ進んでいます。

軌道跡は右側の草むらへ進みます。


軌道跡は小さな沢を渡る箇所で途切れています。

こちら側からは橋跡などの遺構は確認できませんでした。


沢を渡って起点方向を撮影しました。

何か木製の構築物が見えます。

近づいてみると、橋台のようなものがありました。 また、近くには橋桁のようなものを落ちており、その中には犬釘のついた枕木もありました。

前回の調査で見落としていたようです。


その先は広くなっており、土場があったと思われます。

なお、前回のレポートでこの辺りから沢を渡り、南東方向へ軌道があったと予想していました。しかし、実際にその方向に行ってみたところ、道らしきものがあったものの、斜面が急すぎるため軌道跡ではなさそうです。


土場の先も軌道跡らしき空間があり、先に進めましたが、笹藪が激しくなってきたので、この辺で調査を終えました。


2007年は、オークションで激安購入した中古折りたたみ自転車を利用して調査しました。セッティングしていざスタート!と出発した直後、「ブチッ」とステキな音が?
「ブチッ」て何だ?と思ったら、後輪ブレーキワイヤーが断裂…。帰りの下り坂はスピードが出ないように注意しながら、足ブレーキ走行でした…トホホ。
(使用前に家で確認し、試運転もしていたのですが…、中古品を使用する前は十分確認が必要ですね。)

常家戸沢線(前回調査)へ

( 線名 地図 )