(2007.6.7公開)
片刈石沢林道 その3

木橋のあった地点で気になった箇所があったので、2007年4月に再び調査を行いました。

その結果、木橋があった地点には支線が存在するのではなく、本線が進むためにスイッチバックがあったと思われることから、「その2」で予想した軌道跡を修正します。ショボい図は以下のとおりです。
前回の軌道跡予想図 (修正前) 今回の訂正
(調査結果の概要)
@にあると予想していたスイッチバックが発見できなかった(そもそも@スイッチバックは無かったと思われます)。
行き止まりと思っていたAの先も軌道跡は存在していました。それは前回の調査で本線から続いていたと思っていた軌道跡でした。
Cの起点方面には軌道跡は発見できませんでした。現林道が軌道跡と考えられ、上流部まで進んだ後、BでスイッチバックしてCに進んでいたと考えられます。




1 支線からのスイッチバックは無かった

再び木橋のあった地点にやってきました。

写真は現林道から@の地点を見上げて撮影しました。前回は、写真2段目の上部にさらにスイッチバックで支線があると予想していたのですが、はたして…?

斜面を登って調査しました。

※カーソルを合わせると、軌道跡を示します。


斜面を登って下方を撮影しました。

ちょっとわかりにくいですが、かなり急な斜面です。

もしここにスイッチバックがあったならば、それらしき道床があるのですが…。


上部にはえぐられた斜面が続いています。

運材については詳しくないのですが、このような跡は林業用トラクタで運んだ跡なのか、それとも別の方法の跡なのでしょうか。

かなり急な斜面となっているので、林業用トラクタでは進めないような感じもしますが…。


下方には木橋が小さく見えます。

しかし、この斜面には軌道跡らしきものは見つけられません。


さらに登りましたが、このえぐられた斜面はまだ続いていました。

ここまで色々探したのですが、もしスイッチバックがあるならば、段になっている箇所があるはずですが、見あたりません。

よって、ここには軌道がなかったと判断しました。

なお、この斜面にワイヤーロープが落ちていたことから、この地点は集材機などで運材を行っていたことが考えられますが…?。


2 支線はそもそもなく、本線であった

上部の軌道跡(支線と思っていた軌道跡)は何の意味があるのでしょうか。

写真はBの地点で撮影しました。

上部の軌道跡のA地点を再度確認してみました。

※カーソルを合わせると、軌道跡を示します。


写真Aの地点です。先に進むと、このように行き止まりになっています。

しかし、この先を、無理矢理進んでみると…。


写真では分かりにくいですが、平らな部分が続いており、先にも軌道跡が確認できました。

前回の調査では、舞い上がっていたのでしょうか、きちんと確認できていませんでした…トホホ。

この先は低木がじゃまして進めないので、林道に降りて確認してみました。


軌道跡は先に続いているようでした。

前回は下部の軌道跡(本線と思っていた軌道跡)から続いていたと思っていたのですが、上部の軌道が本線として続いているようです。前回の調査で発見した小さな桟道跡もここから続いていました。単純な調査不足、思いこみのミスでした…トホホ…。

※カーソルを合わせると、軌道跡を示します。


3 本線はスイッチバックで進んでいた

もう一つ確認が必要な箇所がありました。C地点から起点へどのように進んでいたのでしょうか?

写真のようにC地点は数メートルの高さに位置しています。この高さのまま起点方向に進むと…?

※カーソルを合わせると、軌道跡を示します。


階段をのぼってC地点で撮影しました。起点方向はこのように行き止まりになっています。

この先には軌道跡はなさそうです。


C地点から起点方向に進むとすぐに傾り石沢を渡ります。写真はD地点で前回調査で上流方向を撮影したものです。

現林道は写真左の白いガードレール部分で沢を渡っています。

軌道跡が仮にC地点の高さを保ったまま進むとすると、写真の赤丸の高さに橋が必要となり、こちら側に渡るには不自然な形となります。
この地点で沢を渡らず、写真右側の沢沿いを進んでから対岸に渡ることや、桟道を作って緩やかな傾斜をとって沢を渡ることも考えられますが、今回の他の調査結果などから考えると、やはり現林道(赤い点線)が軌道跡で、上流部に進んでB地点付近でスイッチバックしてC地点に進んだと思われます。

※カーソルを合わせると、軌道跡を示します。



以上が調査結果です。

前回の調査では、2つの木橋を発見したことで満足してしまい、軌道跡を冷静に考えることができませんでした。また、整備されている林道に惑わされて、軌道跡を勘違いしていました。まだまだ勉強が足りないようです…トホホ。

しかし、ちょっと謎もあります。今回予想した3回のスイッチバックで進むとすれば、機関車の進行方向が逆になってしまうことです。そのまま逆走して進んだのか、スイッチバックの手前にデルタ線?や転車台?があって付け替えたのか…?

ちょっとはっきりしない結果ですが、片刈石沢林道の調査はこれで終了したいと思います。

                 ( 線名 地図 )       

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